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映画「THE BATMAN -ザ・バットマン‐」レビュー~セドリック俳優がバットマンへ

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3月11日から全国公開になった「THE BATMAN -ザ・バットマン」を観てきました。

女性だとこの手の映画は観たことない方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんな初心者の方でも映画の世界に浸れるよう、ネタバレなしのアラフィフ目線でゆるくバットマンを斬っていきたいと思います!

そもそもバットマンって、どんな話??

バットマンをご存知でない方に、かなり簡単にご説明すると・・・

アメコミが原作で、ブルース・ウェインという大富豪が夜な夜なバットマンに変身し、架空都市ゴッサム・シティの悪と戦うストーリーです。

アメコミのヒーローだけど超能力などは使えなくって、生身の人間が戦うっていうスタイル。

身にまとっているボディスーツなども手作り品で、名探偵コナンばりのアイテムも登場します。

名家に生まれたけど、幼い時に両親を亡くし、執事が見守るなか孤児として大人に成長するというバックボーンがあるんです。

そういった辛い経験や葛藤がある中で彼はバットマンになっていることもあり「ダークヒーロー」とも評されていて、映画全体の雰囲気もダークなのが他のアメコミ映画とは違うところだと思います。

今作は謎解きサスペンスアクション映画で、「バットマンの覚醒を描きたい」とウエインがバットマンになって2年目の姿を「猿の惑星 新世紀」(2014)などで知られるマット・リーヴス監督が描いています。

この監督は過去作のリメイクが得意な監督なので、既に2作目に期待する声が上がっているようですよ!

ハリポタのセドリック俳優が苦悩のバットマンに!

映画「ハリーポッター」シリーズはご存知の方も多いと思います。

その中でも4作目の「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005)は三大魔法学校対抗試合が舞台となった作品で、私は大好きです。

その試合でホグワーツ代表選手として試合に出ていたセドリック役のロバート・パティンソンが今作でバットマンを演じているんです!!

セドリックって悲劇のヒーローみたいな役でしたよね。

ロバート・パティンソンといえば、ハリポタ後は「トワイライト」シリーズ(2008~2012)でヴァンパイア役でブレイク、その後は目立った活躍はありませんでしたが、2020年のクリストファー・ノーラン監督「テネット」で主人公をサポートするエージェント役で再び注目されていました。

1986年生まれの36歳!

アイドル俳優を卒業して、新境地を目指してきたパティンソンが、大人の俳優として、どんなバットマンを演じているのか観に行ってみませんか?

今回の悪役はリドラー

(見にくいですが)チラシの右下がリドラー

近年のバットマンでは、映画化で注目を集めるのは敵対する悪役キャラだったりします。

その中でも有名なのはジョーカーというキャラクターで、2019年に「ジョーカー」で映画化され、アカデミー賞で主演男優賞を獲得しています。

この俳優はホアキン・フェニックスといい、故リバー・フェニックス(スタンドバイミーなどに出演)の弟さんなので、アラフィフ辺りの年代だと興味が沸く方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんなジョーカーと人気を二分しているリドラーが今回の映画で登場します。

リドラーっていうのは、もともと博識で知能が高いこともあって、なにかと「なぞなぞ」を出してくるキャラ。

「なぞなぞ」って辺りが、アメコミっぽいでしょ。

だけど今作では、彼の狂気を秘めたなぞなぞと信念が、バットマンを追い詰めていく、かなりダークな雰囲気に仕上がっています。

過去作でもリドラーは登場していて、「バットマン フォーエバー」(1995)ではジム・キャリーが演じています。

ジム・キャリーって覚えていますか?

映画「マスク」(1994)の主演だった方です。

こちらはコミック寄りの設定だったので、今作よりは少し明るい雰囲気で映画を楽しめます。

私の感想~混沌とした世の中でバットマンが教えてくれるものは?

バットマン自身が正義のヒーローとして目覚めるきっかけを描いた映画で、バットマンVSリドラーの構図ではありましたが、実は正義と闇は裏表で「太陽と月」「陰陽」の関係なんだろうな、とこの映画を観て考えさせられました。

で、何が正義で、何が闇なのかは、自分が感じて、考えて、自分で決めるものなのかなぁ、と。

だから人によって正義って違っているのかもしれません。

社会的地位や肩書などで人を見て、その人を信じるのではなく、ウェインのように自分が何を信じるか、自分は何者なのか、と自分の内側にフォーカスを当てないと見えないものがあるんじゃないかな、なんて思いました。

特に今って、世の中が混沌としていて、様々な情報が溢れています。

皆を同じ思考や価値観に向かわせるような流れがあるなか、「みんな違って、みんな良い」って考え方もあったりします。

だから映画の世界を通じて、今、私たちが生きるリアルな世界をどう見るかを考えるひとつのきっかけになる映画かな、と思いました。

THE BATMANを観る前に予習するなら

予備知識がなくても、ある程度は楽しめる映画ですが、主だった登場人物や人間関係がちょっと頭に入っていると、より作品の世界観に浸れると思います。

なので、今作を観る前に予習する為の1本を選ぶとしたら、私は「バットマン ビギンズ」(2005)をお勧めします!

その理由は、ウェインの両親が亡くなった経緯、バットマンになったいきさつ、主だった人間関係などがギュッと詰まっているからです。

バットマンの過去作品については、この記事の後の方でご紹介していますが、余裕があれば「バットマンビギンズ」の後の2作品も観れるといいかもしれません。

ちなみに今ならAmazonプライムで無料で視聴できますよ!

バットマンの映画化の魅力とは

1939年のアメコミで初登場して、一気に人気になったのがバットマン。

年代で言えば、私たちの親世代よりも少し前から支持されていたなんて、スゴイですよね!

そんな人気の漫画キャラですが、何度も映画化される魅力は何なのでしょうか?

今回の映画を観るにあたり調べてみて、私なりに感じたバットマンの魅力を3つご紹介します。

バットマン映画の魅力

その1.映画監督のこだわりが詰まった世界観を堪能できる

その2.作品ごとに悪役キャラの個性を楽しめる

その3.シリーズで異なるヒーロー像が描かれる

例えば、同じように何度も映画化されているスパイダーマンだと「トム・ホランド版」などと、歴代の主演俳優の名前で作品が語られることが多いのですが、バットマンは監督名で作品が語られていることが多いと感じました。

つまり、それだけ監督のこだわりや世界観が表現されている、ってことだと思います。

バットマンの歴史と監督

アメリカではテレビシリーズなどもあるようですが、バットマンシリーズの主だった歴代映画と監督をまとめてみました!

バットマン~映画化の歴史

ティム・バートン監督(マイケル・キートン主演)
・バットマン(1989)
・バットマン・リターンズ(1992)

ジョエル・シュマッカー監督(ヴァル・キルマー主演)
・バットマン・フォーエバー(1995)
・バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲(1997)

クリストファー・ノーラン監督(クルスチャン・ベイル主演)
・バットマン ビギンズ(2005)
・ダークナイト(2008)
・ダークナイト ライジング(2012)

1シリーズ目はティム・バートン監督

シザーハンズ(1991)
チャーリーとチョコレート工場(2005)
アリス・イン・ワンダーランド(2010)

などで知られている監督です。

もともとディズニーのアニメーターだった監督なので、どこか温かみを感じつつもダークで幻想的な雰囲気があるのは、バットマンの世界観と共通しているかも!

2シリーズ目のジョエル・シュマッカー監督は、オペラ座の怪人(2004)が代表作です。

私はこの監督のオペラ座の怪人が「お気に入り映画のトップ5」に入るくらい好きなのですが、バットマンシリーズは愚作と評され、特に「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」は大コケしたと言われています。

ちなみに悪役にアーノルド・シュワルツェネッガーを起用されています。

俳優陣が豪華なことに加え、アメコミ映画にエンタメ要素が加わり、個人的には好きなシリーズです!

3シリーズ目はクリストファー・ノーラン監督

インセプション(2010)
ダンケルク(2017)
テネット(2020)
などが有名ですね。

ちょっと難解な映画が多い印象の監督だけど、音響や画面へのこだわり、主人公の葛藤などが上手く描かれていて人気のシリーズ!

これまでと比較すると、アクションにも力を入れているから見ごたえもあるよ。

2作目の「ダークナイト」(2008)では、悪役ジョーカーを演じたヒース・レジャーが撮影中に亡くなり、代役をジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が演じたことでも話題になりましたね。

ちなみにヒース・レジャーはこの年のアカデミーの助演男優賞を受賞しました。

もし、あなたが好きな映画作品の監督をされていらっしゃるようでしたら、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?